|
やがて、1人目の男は荒い息を吐きながら背中を震わせ、コンドームの中に射精した。ずるりとまだ萎えきらないペニスが抜かれると、間をおかずに次の男が覆いかぶさる。 そして、またもや根元までペニスを突き刺し、遠慮も無く腰をグラインドさせ始めた。 拓海と男が繋がった部分からはにゅじゅ…じゅ…と絶え間なくいやらしい音がしている。 透明なゼリーが掻き混ぜられて溢れて、とろりと垂れている様はまるで自ら潤う女の性器と良く似ている。 拓海の両手は拘束されたままで、それを振り払う様子も無く、拓海は喘いでいた。腰を浮かせて捻り、自分を揺らす男の下腹部に自分のペニスを擦りつけようとしているようにも見える。 「……あ………あっ……」 他の男の手が胸の飾りやへその下を撫でると、我慢できないような小さな嬌声が漏れる。そして、今だ触れてももらえない拓海のペニスは、自分の露でしとどに濡れてぴくぴくと震えていた。 2人目の男は眼を細めて、腰をくねらせる拓海を見下ろしていた。 「どう……?キモチイイ…?」 その男がそっと囁くと拓海はこくりと唾を飲み込んで答える。控えめに喉仏が動くのが見えた。 「……はい…。気持ち…いい…です……。」 頬を上気させて、はぁはぁと全力疾走したみたいに息を切らして、答えるその瞳はゆらゆらと潤んでいた。 「……ああぁ…やだ…もっと…」 2人目の動きが烈しくなるにつれて、拓海の声も大きくはっきりとして来た。それはその身に施される仕打ちを喜んでいる声だった。 それを煽るように、周りの男達が次々と言葉の愛撫を始めた。 「ねぇ…?どこがキモチイイの?言ってみてよ…」 男がぴたりと動きを止め、ペニスをずるずると引き戻す。ゼリーにまみれた見知らぬ男の茎が、拓海の中から出てきた。 「……やだっ!……止め…ないで…」 ひゅっと息を呑んで拓海が頭を起こす。 「じゃぁ、どうして欲しい?どこをどうして欲しいんだ?」 焦らすように亀頭の部分だけを抜き差しされて、拓海は上目遣いでその男を見上げていた。 「あ……、奥まで…それで、奥まで突いて…」 「突いて…?突くだけでいいの…?」 男は再びじれるほどのゆっくりとした動作で、ペニスを奥へと押し進める。 全くの別人ではあったがにやりと笑った男の横顔がどことなく兄に似ている、と啓介は思った。 拓海は眼を瞬かせて髪を乱してふるふると頭を振った。 「いや……ぁ……もっと、もっと突いて………!」 望んだとおりに奥まで差し込まれると、拓海は息をつめて仰け反った。 見開かれた眼、わななく唇、胸元まで上気したピンク色の肌。 「ここ…?ここがイイの…?」 拓海は掠れた声で言った。 「うん……そう…そこを擦って…そして突き上げて……やあっ!!」 言い終わらないうちに男は烈しく突き上げ始める。 「やああぁ……!」 叫び声に近い嬌声が上がって、間もなく、涼介に似た男も果てた。 くたりと力なく乱れたベッドに横たわる拓海の体の中央には、そこだけまだ力強くそそり立つペニスがあった。 誰の手にも触れられず内側から与えられる刺激だけでは開放されずに、張り詰めていた。 男が拓海の上から去ると、最後の男と場所を交代するようだ。 その一瞬、拓海の手の拘束が解かれる。解かれるとすぐに、半ば無意識に拓海の手は下半身へと伸びた。 するすると腹の上を滑って、足の間で触れて欲しいと強請るペニスを今や握ろうとした時、それに気づいた男の一人が、その手をまた拘束した。 「おっと……だめだよ?まだ、触っちゃダメだ…」 拓海が恨めしげに視線を投げたのは、そう言った男にではなく、カメラに向かってだった。 やはり、ここに誰かがいて指示を出しているんだ…… 啓介は短くなったタバコを近くにあった空き缶でもみ消した。 何もすることが無くなった手は、画面の中の拓海同様、ともすれば下半身へと伸びてしまいそうになる。 コットンのゆったりとしたズボンの上からそれを握って、激しく扱いてあの一瞬頭の中が白くなるような快楽に溺れたい。 篭った不埒な熱を開放したい。溜まった物を吐き出したい。 部屋には誰もいないし、涼介だって今夜は帰ってこない。何をためらう事も無いはずなのに、しかし啓介はそうすることができなかった。 絶え間なく体中を撫で回され、嘗め回され、揺らされて、正気に戻る時間を与えられない拓海の表情は、もはや溶けたバターみたいになっていた。 薄っすらと汗をかいた拓海の肌はまるでコクのある陶器のように光っていた。 思わず手を伸ばしてそれに触れてみたいと思わせる艶肌。 拓海の両腕を掴む男達に、自分を重ねてしまいそうになる。 3人目の男が、まだ緩んだままの拓海の入口へと屹立を押し当てると、くたりとしていた拓海の体にスイッチが入ったように力が戻った。 「……うぁ…!」 ズズッ…とまたもや男のペニスを差し込まれ、拓海の細い体は悦びに仰け反る。中を掻き混ぜられるたび、赤い唇を震わせて喘ぐ。開いた唇の間から物欲しそうな艶やかな舌が垣間見えた。 拓海がカメラのほうを見る仕草をする回数がさっきよりも増えたような気がする。 そこには果たして何があるのか?誰がいるのか? 烈しく揺すられて、拓海は柔らかい栗色の髪の毛を振り乱して、身を捩る。 拘束された手をもどかしげな瞳で見つめ、でも振りほどこうとしない。 直接の刺激を施してもらえない拓海のぺニスから溢れた露が腹に広がってぬらぬらと光っていた。 そして、刺激を欲してびくびくと跳ね上がり、血管を浮き立たせて上気していた。 肌が白いからなのか、ベッドのカバーリングの色のせいなのかは分からないが、まだ汚れを知らないような拓海のそこは、ほんのり赤く充血しているように見える。 そしてそこはまるで、火照った女の乳房のように情欲を誘う。 「あ……あっ………やぁっ…」 口の端から零れるのは拒否の言葉なのに、それとは正反対に欲しがる拓海の体。 烈しく突き上げられ、跳ね上がった前髪の間から覗く瞳はいつもの拓海とは同一人物とは思えないほど潤んで、今にも涙が零れそうだ。 「……う……んんっ……も……やだぁ……」 拓海は涙を一杯に溜めた眼でレンズを覗く。 半開きの唇からはヨダレが垂れている。 酔わされて、攻められて……溶けてしまったような顔。 それがレンズ越しに啓介を誘っていた。 最後の男が果てると、その男はそそくさと体を離し、着衣を整えた。 拓海は乱れきったベッドに1人きりにされた。 3人の男達は拓海を抱くのが仕事、とばかりにさっさとフレームアウトしてしまった。 部屋からも出て行ったらしく、バタンと扉の閉まる音がした後、人の気配は無くなった。 うつろな視線はカメラのほうを向いていた。 拓海はベッドの中央で、まだ胸を上下させて荒い息を吐いている。 片足の膝を立てて、もう片方の足は投げ出すように伸びていた。 と、拘束を解かれた右手が、動いた。 初めは上気した自分の頬を撫で、唇に触れて零れた唾液の筋をぐいと拭った。 コクリと干上がった喉で唾を飲み込んだ。赤い唇と喉仏が動く。 はぁっと一息、大きく息を吐いた。 拓海の右手は自分の胸を撫で、かわるがわる吸われたり摘まれたりしたせいで赤く尖ってしまった飾りを掠める。 わざとだ、わざとソコに触れるように手をすべらせているんだと、啓介は思った。 その証拠に、拓海は「……ん…」と呻いて腰を浮かせた。 そして、自分の右手の親指と人差し指で飾りを摘んだ。 こりこりと転がすように愛撫を施す。 「……あ…」 腰が揺れるたびに、ぺニスは嬉しそうに震えて蜜を零す。 そして、胸を離れた拓海の右手は磁石に吸い寄せられるように、ぺニスへとたどり着いた。 慣れ親しんだもののようにきゅっと握ると、とろけた拓海の顔に淫靡な笑みが浮かぶ。 握った手は、上下に動き出した。 笑みはとろけてまた、薄っすらと唇を開いて甘い息を吐き始める。 「……は…はぁ……ん……」 ぺろりと舌なめずりする。こみ上げる刺激に下唇を噛む。 熟れたザクロのように赤々とした唇から眼が離せない。 さらに赤みを増す膨張したぺニスを擦る拓海の右手から聞こえる水音が耳から離れない。 「……あ…あぁ…」 擦る右手の速度は加速する。加速したかと思うと、自分で自分を焦らすように動きを止める。 茎を握られたまま拓海のぺニスは、白い太腿の間でひくついていた。 拓海は右手で自分のものを握ったまま、ころりと寝返りを打って、カメラのほうを向いた。 そして、再び扱き始める。ゆっくりと、何かを待ちわびているように。 拓海のとろんと酔ったような瞳が、懇願している。何かを。 それはレンズを通して啓介の下半身を更に硬くさせた。 生地の下でどく、と動くのが分かった。 拓海は眼を細めて笑った。赤い唇の両端が上がる。 拓海がその淫らな目で見つめ、口を開いて何かを言おうとしたそのとき、画面は再び砂嵐へと戻ってしまった。 少しの間砂嵐が流れた後、ぷつりと映像は途絶えた。 音も光もしなくなったテレビを前に、啓介は動けなかった。 体の一部だけがどくどくと勝手に脈打って蠢く他は、動けなかった。 拓海は誰かに脅されてやっているのではないんだろう。 自ら性器を擦る拓海の陶酔したような表情が思い浮かんだ。 人には個性があるように、また性癖もいろいろとあるのかもしれないが… これは、アニキには見せないほうがいいよな…誰がどんな目的で送ってきたのかは知らねぇけど。 啓介は瞬きもせず、暗い部屋で思い巡らせていた。 と、テープが終わったらしく、自動的に巻き戻しを始める。 啓介は思い出したようにリモコンでテレビを消し、シャワーを浴びる為にのろのろと立ち上がった。 早く洗い流してしまおうと思った。 汗も、埃も、匂いも、そしてこの変なビデオテープで欲情してしまったという記憶も。 熱いお湯で、きれいに流してしまいたいと思った。 |